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仏教の基本的な立場は実在論である。しかし今日の仏教界の実情としては、仏教経典に対する誤解から、無自性とか 空とかという仏教用語を拠り所として、仏教はこの世の中の実在を信じない宗教であり、この世の中の実在を信じないこ とが仏教哲学の核心であるという考え方を持つている。しかし私が正法眼蔵を読み、竜樹尊者の中論を読んだ限りでは, 仏教は正にこの世の中の実在を確信した思想である。 したがつて二十一世紀の現在において真の仏教哲学を把握しようとするならば、仏教思想がこの世の中の実在を 信じているか否かという問題はどのような問題よりも優先して議論されなければならないと思う。残念ながらこの問題は 今日の日本の仏教界においては殆ど論議の対象となつていないけれども、私が六十年以上の才月を費やして 道元禅師の正法眼蔵と竜樹尊者の中論を読んだ限りでは、両祖師の仏教理論は疑問の余地のない実在論と考えられ、 われわれがドーゲンサンガという団体を作つて仏教思想の普及に努力する内容の一つには、この問題が含まれている。
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